プチ減量の方法を全て解説 | 増量期のコツ

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プチ減量の方法を全て解説 | 増量期のコツ
本記事はRenaissance Periodizationの許可を得て、英語から翻訳しています。https://renaissanceperiodization.com/minicuts-dr-mike-israetel/

プチ減量(ミニカット)について

私のプチ減量について投稿していたら多くの方々から詳細を知りたいとコメントが来たので、ここで紹介します。

プチ減量の定義

「減量」は、当然ながら脂肪や体重の減少を目的として低カロリーの期間を用意することを意味してます。

「プチ減量」は、短縮版の減量です。どれくらい短縮するかというと、正確な分け目はありません。

私の基本的な考えでは、6週間以下の場合(2週間でも)、「プチ減量」です。それより長い場合は普通の「減量」でしょう。

なぜプチ減量は6週間以下か

なぜ6週間かというと、6週間以下では体重や脂肪はあまり落とせず、体重や脂肪を大きく落とすのが最優先の人たちは普通の減量の方がいいからです。

週末と休暇の違いに似ています。本当にストレスが溜まっている人には週末の休みだけではなくて1週間以上ある休暇の方が必要です。

プチ減量によって体重と脂肪を効果的に落とせないとしたら、どんなことに効果があるのでしょう?

プチ減量の利用方法

プチ減量の一般的な目的は、私もほとんどの場合はこれが目的ですが、増量期の効果を最大化させることです。

増量は筋肥大に非常に効果的ですが、一方で増量することで筋肥大に制限をかけてしまうのです。

体重が増えるにつれて、筋肉と脂肪の両方が増えます。高い体脂肪率と長期的な大量の栄養摂取によって、骨格筋の栄養吸収感受性が落ちてしまいます。(一方で、体脂肪の感受性は変わらず栄養を吸収し続けます。)

この筋肉の栄養吸収感受性が落ちることで、増加した体重に対する筋肉の割合が減少し、脂肪の割合が上がります。

この傾向が高まれば、当然ながら多くの脂肪が増えて筋肉はあまり増えないということになってしまいます。

増量期のプチ減量のメリット

2〜6週間カロリーを減らすことで、いくつかのことが達成できます。

まず最初に、栄養摂取量が減ることで筋肉の感受性が活性化し、増量カロリーに変わった時に筋肥大が起こりやすくなります。

さらに、体脂肪率が落ちることにより筋肉をつきやすい体となると同時に、筋肉と脂肪が増える割合に悪影響が出ないレベルに体脂肪率を落とすことができます。後者は簡単にいうと、「増量できる期間を伸ばす」ことができるということです。

一般的に、筋肥大に適切な体脂肪率は10〜15%であるため(女性は+10%)、プチ減量により13%から10%に5週間で減らせれば、適切な体脂肪率の下限に戻りさらに増量できます。

つまりプチ減量の効果とは

つまり、体脂肪率の低下と筋肉の感受性を活性化することにより、プチ減量は身体の筋肥大に対する感受性を取り戻します。

ロードトリップしていてガソリンスタンドや休憩所に止まるようなものです。その間は一切進んでいませんが、リフレッシュできるため最終的に移動できる距離を伸ばすことができるのです。

通常の減量ではなくてプチ減量の理由

なぜ通常の減量をやらずにプチ減量でしょうか?24週間増量して、その後16週間ダイエットを繰り返せばいいのではないか?こう思う人もいるでしょう。

上記のやり方でもいいですが、プチ減量を行うことで停滞を防ぐことができます。

16〜24週間の増量では筋肉と脂肪の割合はどれくらい効率的でしょう?12週間後に6週間のプチ減量を挟むほどはいい結果ではないはずです。

それに加え長期的な増量のデメリットは、長期的な減量期がデメリットということです。

プチ減量のように短期間で少量の減量であれば、筋量減少の恐れは少なく、ダイエットによる疲労もないです。そのまますぐに増量に戻って筋肥大を狙えます。

しかし12週間を超える減量のあとはホルモンも代謝も食欲も変わっていて、増量への復帰が複雑です。減量による上記のような変化に対応しながら増量しなければいけないからです。

先ほどのロードトリップの話に例えると、一旦ホテルに止まるか(減量)、もう一回休憩所に止まるか(プチ減量)の違いです。

あなたがどんなに意欲的でも、起きるのが遅い人がいたり、30分間トイレにこもったり、シャワーが長かったり、まるであなたをキレさせる目的かのように遅く朝食を食べたりという人がいます。このような長い休憩の後には、すぐスタートできないのです。

つまり、減量には減量のモメンタムがあり、短い減量よりも長い減量の後のほうが増量開始が難しくなります。

プチ減量の方法とコツ

プチ減量をうまく行うために、いくつかのコツを紹介します。

増量とプチ減量の割合

増量とプチ減量の割合は、体脂肪増加率などの個人的要因にも左右されます。

例えば、増量をしてもまだ絞れている場合は増量し続けましょう。しかし増量後にそれなりの脂肪が増えた場合は、プチ減量をした方がいいかもしれないです。

基本的に、増量とプチ減量の期間は2:1か3:1の間で設定します。6週間増量したとしたら、体脂肪量に基づいて2〜3週間プチ減量を行い、次の増量が体脂肪率15%以下で終わるようにします。

増量からプチ減量への移行方法

プチ減量で減る体重や脂肪やそこまで多くなく、物凄く絞れた身体になるわけでもないので、増量からプチ減量に移行する時にメンテナンス期を挟む必要はありません。(増量と普通の減量の間に、増量で得た筋肉を安定させるように)

とはいえ、4〜6ヶ月毎に1ヶ月程の低ボリュームのメンテナンス期間を設けた方がよいでしょう。

しかしながら依然としてプチ減量の前にメンテナンス期間を設ける必要はないです。

※メンテナンス期間:増量でも減量でもない期間。トレーニングボリュームも筋量を維持するレベルで行い、身体の刺激への反応を高め回復させる期間。

プチ減量期の減量ペース

プチ減量の間は、1週間に体重の0.5〜1%を減らすペースを狙いましょう。1週目は当然ながら水分減少のためもっと減ります。

身体の感受性を回復させるために、なるべく1%に近い減量をほとんどの人にオススメします。

増量中は反対に体重の0.5%を超えないようにすると、不必要に脂肪をつけないですみます。

増量とプチ減量の期間

増量とプチ減量はどれくらいの期間にすればよいでしょう?

個人的には、16週間以上の増量には疑問を抱きます。また2週間よりもっと短い期間のプチ減量では、増量のモメンタムを止められずほとんど効果がないと考えます。

非ナチュラルの場合は、2週間以下の減量でも効果があるでしょう。

プチ減量中のトレーニングとカーディオ(有酸素運動)

カーディオは行っても良く、むしろプチ減量中にはオススメです。

しかしながら、トレーニングボリュームはMEVくらい低く抑えるべきです。

なぜかというと、プチ減量期間中には筋肉量を保ちながらも、トレーニングボリュームへの感受性を増量期に取っておきたいからです。

増量期こそが、トレーニングをハードに行って筋肥大を狙う時期です。

※MEV:Minumum Effective Volumeの略で、筋肥大できる最低限のボリュームを意味する。詳細は、マイクイズラテルのMEV・MAV・MRVトレーニングボリューム理論をご覧ください。

プチ減量中のマクロ栄養素

栄養素を削る中で脂質を削ることを意識するとともに、炭水化物を減らすのも恐れないでください。

MEVでトレーニングしていれば、そこまで炭水化物は必要ではないです。さらに低炭水化物の状態によって、増量期の炭水化物への感受性が増し、大きくなりやすくなります。

注記:炭水化物への感受性を活性化するためには、体脂肪を減らすのが非常に効果的です。マクロ栄養素の割合なんかよりも圧倒的に効果があります。

プチ減量中に避けるべきこと

プチ減量中にありがちな過ちをいくつか紹介します。

頻繁すぎるプチ減量

プチ減量を行いすぎると増量に悪影響が出ます。

筋肥大には、特にトレーニングの漸進性過負荷も関係し、モメンタムが存在します。プチ減量の頻度をあげると、このモメンタムを乱してしまい、成長が遅くなります。

仕事の休みを取りすぎるようなものです。プロジェクトの大半を休んでいるようでは良いモメンタムを得られません。冬の休暇中なんかは全然仕事が進まないですよね?

どれくらいが頻繁すぎるか?

少なくとも6週間、出来れば8週間は増量することをオススメします。

その後、体脂肪率が12%以下であればまだプチ減量は早いかもしれません。

12%を超えている場合は、次の増量で15%を超える可能性があるため、プチ減量を検討していいでしょう。

自分に向き合ってプチ減量を行う理由を整理すべきです。増量の効果を最大化させたいのか、それともただ太りたくないのか。

プチ減量の期間が長すぎる

プチ減量の期間が長すぎてもダメです。減量にもモメンタムがあります。

身体が絞れてくると、もっと減量したくなるかもしれません。しかし、それで増量の効果が高まりますか?高まりません!

ただ増量のモメンタムを乱してしまうだけです。プチ減量は論理的な目的を持って取り組み、ちゃんと「プチ」な期間にしてください。

プチ減量開始数日で増量に戻る

プチ減量を2日行い身体が小さくなってビビったからといって、増量には戻らないでください。

身体のサイズは落ちるし、レップ数も少し落ちます。ただ、それは短期的にグリコーゲンが少なくなっているからです。

増量を再開して数日で回復したらすぐに、今まで通り大きく強くなるでしょう。

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