スクワットとレッグプレスはどちらも大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋を中心に鍛える種目です。
ターゲットの筋群という意味ではほとんど違いがありませんが、場合によっては使い分けが必要になります。
いくつかのパターンに分けて説明していきます。
- スクワットの1RM向上が目的の場合
- 大腿四頭筋を集中的に鍛えたい場合
- 脊柱起立筋に刺激を与えたい場合
- 腰に問題を抱えている場合
スクワットの1RM向上が目的の場合
スクワットでの筋力を向上させたいのであれば、スクワットを中心にメニューを組むべきです。
ある動作を強くするにはその動作を練習する必要があるため、スクワットを強くするのであればスクワットをするのが一番だからです。
しかしながら、疲労などが原因で、スクワットだけではトレーニングボリュームが稼げない場合もあるかと思います。
そのような場合には、レッグプレスやハックスクワットなど、同じ筋群を刺激するマシン種目が活用できるでしょう。
大腿四頭筋を集中的に鍛えたい場合
スクワットは間違い無く大腿四頭筋に効果的ですが、骨格や筋力バランスによっては効率的に四頭筋を刺激できない可能性があります。
具体的には、胴体が短く足が長い場合や、脊柱起立筋とハムストリング・臀部が強い場合などです。
これらの場合には、相対的に見て身体の裏側に位置する筋群(ポステリアチェーン)を使ってスクワットをあげることになり、大腿四頭筋への負荷が落ちます。
そのため、大腿四頭筋への比率を高めるために、レッグプレスを使用すると良いでしょう。
背中への負担がなくなるだけでなく、レッグプレスでは足の位置が調整できるため、膝がしっかり曲がる位置に調整することで大腿四頭筋への負荷を高められます。
脊柱起立筋に刺激を与えたい場合
スクワットとレッグプレスのターゲットとなる筋群の大きな違いは、脊柱起立筋です。
スクワットではバーベルを担ぐため、上体を維持するために脊柱起立筋が使用されます。
一方で、レッグプレスでは基本的に背中への負荷がありません。
そのため、少しでも脊柱起立筋への刺激を増やしたいのであれば、スクワットを選ぶと良いでしょう。
とはいえ、脊柱起立筋を鍛えるのであれば、デッドリフトやグッドモーニングの方が効果的に鍛えられるため、あえてスクワットを選ぶ必要もないかもしれません。
反対に、脊柱起立筋の疲労を抑えたい場合は、スクワットではなくレッグプレスを選択すると良いです。
腰に問題を抱えている場合
上記と同様に、スクワットは必然的に上体を維持するため、脊柱起立筋だけでなく体幹部の筋肉を多く使用します。
これらが上手く使えていない場合(≒腹圧がかかっていない)、腰への負担が高まってしまい、望ましくはありません。
また、股関節周りの柔軟性が欠けていると、スクワットをした際に腰が丸まってしまう(バットウィンク)現象が起こります。
荷重されている状態で腰が曲がるのはヘルニアのリスクも高まるため、柔軟性に問題がある場合は可動域を改善する、または可動域を狭める工夫が必要です。
そのため、腰に負担を感じているのであれば、レッグプレスからスタートし、同時に柔軟性の改善を行うなどするとよいでしょう。