ベンチプレスのアーチ(ブリッジ)は、筋肥大目的でも作った方が良いでしょう。
その理由は以下の通りです。
- 胸に効かせやすくなる
- 安定してより高重量を扱える
- 怪我のリスクを減らせる
もちろん、筋肥大のみが目的であれば、無理矢理最大限までアーチを高める必要はありません。
しかし上記の理由から、ある程度のアーチを持たせた方が長期的に見てメリットがあると考えられます。
アーチを組むことで大胸筋を刺激しやすくする
アーチを組まずに、いわゆる「ベタ寝」でベンチプレスをやるとどうなるでしょう。
この場合肩が固定されずに、肩中心で動かしてしまうため、効率的に大胸筋を刺激できません。
反対にアーチを組むと、肩を固定し、大胸筋を中心に動作させることができます。
無理な可動域で動かすこともなくなり、より胸筋に集中して鍛えられるようになります。
土台が安定することでバーを押しやすくなる
肩の固定だけでなく、アーチを組む際には通常足の力も入っています。
足を前方(つま先側)に蹴るように力を入れることで、両方向から力が加わり(肩甲骨を立てる・寄せる力と合わせて)、丈夫な土台ができあがります。
これによりバーベルを押しやすい体勢になり、ベンチプレスの重量も伸びます。
重量を追うことだけが重要な訳ではないですが、筋肥大には重量の向上がほとんどの場合必要になります。
効率的に漸進性過負荷をかけるためにも、アーチを組んで重量を追える状況を作った方が良いでしょう。
アーチを組むと肩を怪我しにくくなる
理由はほとんど前述の通りですが、アーチを組むとベンチプレス中に起こる肩の怪我のリスクを減少させられます。
無理に肩でバーベルを動かしてしまうことがなくなるためです。
また土台が安定することで、バーベルの軌道も安定しやすくなります。
そのため身体が慣れている範囲でトレーニングを行えるため、急に変な負荷がかからなくなります。
高すぎるアーチには注意
筋肥大が目的であれば、アーチが高過ぎて可動域が極端に狭くならないように注意しましょう。
筋肥大には広い可動域が基本になります。
特にワイドグリップや腕が短めの方の場合は可動域が狭くなりがちなため、一度ビデオを撮るなどして確認すると良いです。
筋力(1RM)向上目的の場合は間違い無くアーチが必要
今回の趣旨とは異なる内容ですが、ベンチプレスの1RMを向上させたいのであれば、アーチ出来た方がよいです。
筋肥大の場合はある程度の可動域が欲しいため高すぎるアーチは逆効果ですが、1RMを求める場合には関係ありません。
しかしながら、高いアーチを作る場合も極力胸椎(胸の部分)を曲げる意識を持ちましょう。
腰を中心にアーチを作るとそもそも大胸筋にとって有利な体勢を作れないだけでなく、腰の怪我につながる可能性があります。
アーチはすぐに習得できるものではないので、パワーリフティングなど1RMを追い求めている人は日々練習することをオススメします。