筋トレで1日の最適なセット数は?【やり過ぎは良くない研究結果】

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筋トレで1日の最適なセット数は?【やり過ぎは良くない研究結果】

あなたは多セット派ですか?低セット派ですか?

1セッションで何十セットもやりこむ人もいれば、山本義徳さん推奨のように数セットで終わりの人もいると思います。

結論から言うと、1日に10セット以上やる意味はないかもしれません。

本記事ではセッションあたりのセット数に関する研究について、解説していきます。

※セット数については、筋トレのセット数を科学的に考察【1日・1週間あたりのボリューム】で全てまとめています。

1日あたりのセット数に関する研究論文

  • 1セッションあたり、5、10、15、20セットのグループ
  • 24週間トレーニングを行なった
  • 様々な種目の10RMと筋肉厚を計測
  • 5と10セットのグループが筋肉厚で勝る
  • 5と10セットのグループが主要種目の10RMで勝る

1部位1セッションあたり、5〜20セットまでかなり広い幅で比較されています。

結果として、筋肉厚≒筋肥大の観点では、どの部位においても5と10グループが15と20セットに勝利。

10RMに関しては、ラットプルダウン、レッグプレス、スティッフレッグドデッドリフトにて5と10セットグループが15セットに勝利しています。

1日で20セットの高セットトレーニングは結果が悪い

注目して欲しい点が、20セットは筋肥大も10RMも勝っている要素がないということです。

10RMでは、どのグループよりも伸び率が低いです。

筋肥大に関しても、同様に5、10、15セットよりも伸び率が低いです。全ての部位でです。

つまり、高セットで行う場合でも最高15セットを目安にするべき、という可能性があります。

上級者はセット数を多くしないといけないのでは?

よくセット数を多くする理由としては、「上級者はセット数を増やさないと伸びていかない」ということがあげられます。

しかし、今回の研究対象者はトレーニング経験のある女性です。女性は一般的に高ボリュームへの反応が良いことが多いです。

にも関わらず、低セットグループの方が良い結果が出ています。

そのため、上級者だからといってこの研究を無視していいとはならないでしょう。

漸進性過負荷の法則と身体の回復

漸進性過負荷の法則は、「徐々に負荷を増やさなければいけない」ですが、同時に身体が適応するために回復できなければいけません。

伸びないからといって1日に詰め込んでしまうのは、結局身体が回復に追いつかなくなります。

この研究から、上級者は高頻度に分けていく必要が出てくるのではないかと考えられます。

トレーニング頻度については、筋トレの頻度は筋肥大に関係ない研究【重要なのはボリューム】で解説しています。

部位別に最適なセット数は変わるはず

また、部位によってセット数を変えるのはトレーニーの中では常識でしょう。

実際に、この研究でも以下のような結果が出ています。

  • 大胸筋の筋肥大:5セット>10セット
  • 大腿四頭筋の筋肥大:10セット>5セット

一般的に大胸筋はダメージが残りやすい筋肉と言われていますので、上記の結果は納得できます。

このように、ダメージの残りやすい筋群は低セット、逆にすぐに回復する筋群は高セットよりの方が結果がよくなると予想できます。

1日あたりのセット数に関する考察

上記の結果を見て、まずは以下2つのことを考慮するべきでしょう。

  • 基本的に1部位、1日10セットまでに抑える
  • 部位によってセット数の強弱をつける

1部位10セットとなると、大体2〜3種目程度ですね。

胸で例えると、ベンチプレス→インクライン系→フライ系みたいな感じでしょうか。

また、部位ごとの強弱も自身の経験を基に調節した方が良さそうです。

例えば自分の場合は、腕と三角筋中部・後部は本当に高セットやらないと肥大しないです。逆にハムストリングや臀部や低セットでいい感じです。

ボディビル式の多種目多セットは一般人向きじゃない

この記事で覚えておいて欲しいのがこれです。

Youtubeやインスタ、トレーニング雑誌で見るプロの人たちのトレーニングは、簡単に真似しないでください。

筋肉量が異常じゃないので、一般人の参考になるボリュームではないです。

今回の研究結果でも、少なくともトレーニング経験のある女性には、20セットは最適ではないです。

憧れのボディビルダーは、その身体からさらにデカくなるためのトレーニングをしています。身体が小さい時も同じことをやっていたとは限りません。

自分の条件にあったトレーニングを洗濯していきましょう

1日のセット数に関する研究:まとめ

念の為もう一度、概要をまとめておきます。

  • 5〜20セットまでを比較すると、10セットまでが良さそうとの結果
  • 20セットは筋肥大も筋力も結果が悪い
  • 一般人は1日あたり10セットに抑えるべき(1部位あたり)
  • 部位ごとにセット数の強弱を考慮するべき

セット数は悩み始めると色々試しがちです。

しかし、筋トレで結果を出すために一番重要な要素は、「同じことの継続」です。

身体が刺激に適応するには時間がかかります。効果を確認するためにも、辛抱強く2〜3ヶ月は同様のトレーニングをしてみましょう。

セット数と筋肥大の関係性について詳しく学びたい人は、筋トレのセット数を科学的に考察【1日・1週間あたりのボリューム】 も読んでみてください。

ご拝読ありがとうございました!

参考文献

  1. Med Sci Sports Exerc. 2019 Mar;51(3):515-522. doi: 10.1249/MSS.0000000000001818. Evidence for an Upper Threshold for Resistance Training Volume in Trained Women. Barbalho M1,2, Coswig VS3, Steele J4,5, Fisher JP4, Paoli A6, Gentil P2.

筋トレ研究所管理人

筋トレ研究所管理人

トレーニング、特にビッグ3が好きなパワーリフティング愛好家。マックスは、ベンチプレス135kg、スクワット215kg、デッドリフト255kg。筋肥大と筋力の最大化を目指して日々精進中。

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