腹筋トレーニングのコツ
本記事では、腹筋トレーニングのコツをいくつか紹介します。
私のトレーニングやコーチングの経験をベースにしている一般論ということに注意してください。
あくまで考えのベースであるべきで、ここに記載されている内容に全て従えばいいというわけではありません。
もしまだ読んでいなければ、※筋肥大のためのトレーニングボリュームの目印を読んでみてください。
本記事で紹介していることの理論的、そして実用的なベースが理解できます。
この記事が内容が気に入ったけどもう少しトレーニングメニューに関してRPの専門家の助けが欲しい場合は、大人気のMale PhysiqueやFemale Physiqueテンプレートを見てみてください。
※マイクイズラテルのMEV・MAV・MRVトレーニングボリューム理論にて、彼の理論について本ブログ内に日本語で解説しています。
セット数
MV:筋量維持ボリューム
ほとんどの場合、腹筋は鍛えなくても筋量を維持できます。
上級者ですでに腹筋を高頻度で追い込んでる場合を除き、全身を鍛えていれば見栄え的観点で言えば十分に腹筋も成長します。
実際に、腹筋を鍛えなくてもサイズを大きくできます。MEVのセクションで詳細を確認しましょう。
MEV:最小効果的ボリューム
筋肥大に必要な最小ボリュームは、週0セットです。直接腹筋を鍛えなくても、しばらくの間は腹筋の筋肥大を起こすことができます。
なぜかというと、スクワットやデッドリフトなどの高重量コンパウンド種目によって腹筋にそこそこの刺激が入るからです。
しかしながら、超スローペースではなくて、しっかり腹筋を成長させたい場合は直接刺激する種目を行う必要があります。
腹筋を意図的に大きくする方法の詳細に入る前に、どのような状況で直接腹筋を鍛える必要があるのか考えてみましょう。
腹筋種目を行って成長させる必要性のある状況について考える時は(反対に成長させることにメリットがなく避けるべき時)、腹筋種目によって腹筋を大きくしているということを忘れてはいけません。
つまり、腹直筋が大きくなるということです。
腹筋が押し出るようになることでどんな体脂肪率でも見えやすくなりますが、同時にウェストも若干太く見せることになります。(特に横から見たときに。)
そのため、本当に大きい腹筋を求めているのであれば腹筋を直接鍛えることは良いアイディアです。
現在ウェストが細く、身体をデカくしてボディビルディングをやる予定がなく、ただ単に腹筋を目立たせたいだけであれば、腹筋を鍛えるのはありでしょう。
なぜなら、中には相当身体を絞って体脂肪率を低くしても腹筋が見えなかったり見栄えがよくない人がいるからです。
平らな腹部で満足しているのであれば問題ありませんが、腹筋を目立たせたいのであれば直接鍛えるのを検討した方がいいでしょう。
反対に、ボディビル系の競技に出場する希望がある人、特にかなりサイズを大きくする予定の人や女性でフィギュアに出場する人は、腹筋トレーニングをするとマイナス要因になりかねません。
なぜなら、ウェストを細く保つことの優先度が非常に高いからです。
これらの理由から、腹筋を鍛える前に自分の目標を明確にして、根拠のある判断をしましょう。
MAV:最大適応ボリューム
大体の人は、平均で週に16〜20セットだと反応がいいです。
当然ながら、この数字はある程度腹筋トレーニングの経験がある人の数字です。
このボリュームが成長に最適なレベルに達するまでに数年かかることもあり得ます。
腹筋を鍛え始めの人であれば、週4セット程度でメゾサイクルを開始し、週10セットで終えるくらいで良いでしょう。メゾサイクル毎にそのボリュームを徐々に増やしていきます。
MRV:最大回復ボリューム
週に25セットを超えると、回復しきれない問題が出てくることが多いです。
少数ではありますが、これよりもっと高ボリュームで行っても回復できる人も実際にはいます。
また、腹筋は長期的に鍛えていると疲労耐性がかなり上がってきます。
腹筋のMRVがわかる方法は直接的ではなく、間接的です。
高ボリューム過ぎて筋肉痛により腹筋が弱まっていると、スクワットやデッドリフトのようなコンパウンド種目で安定性を失い筋力が落ち、腹筋は成長するものの身体全身のMRVを低下させてしまいます。
種目
腹筋の種目
頻度
頻度:週に3〜5回
腹筋は疲労耐性が高くなりやすく、過負荷をかけてもすぐに回復します。
そのため、週に5回トレーニングを行っても、問題なく回復できます。
初心者や身体が大きくて強い人は、週3回が適切かもしれません。
強度(重量)
他の筋肉と同じような刺激で腹筋も成長します。8〜20レップの間でトレーニングを多く行いましょう。
8レップより少ないとテクニックがすぐに崩れ始め、腰の怪我のリスクも高まってしまいます。
そのため、高重量低レップの腹筋トレーニングは避けるのがベストでしょう。
バリエーション
腹筋種目はたくさんありますが、メゾサイクル内では2つしか必要がないため、1〜2メゾサイクル毎に種目をローテーションさせれば腹筋のバリエーションとしては大丈夫です。
そして他の部位と同様に、マイクロサイクル内でレップ数を変化させるのも効果的です。メゾサイクルの境目で種目を変更するのに加えてレップ変更も良いでしょう。
基本的な筋肥大フェイズでは以下のような3日間のスプリットが挙げられます。
マシーンクランチ:8レップ
マシーンクランチ:12レップ
リーチングシットアップ:8レップ
上記のフェイズ後の化学的ストレスフェイズでは、以下のようなマイクロサイクル内でのバリエーションが考えられます。
リーチングシットアップ:12レップ
リーチングシットアップ:15レップ
マシーンクランチ:6レップ(20RMからドロップセット。セット間は15秒でセット毎に5kg軽くする。)
可動域
腹筋で可動域を狭める人は本当に多いです。なぜでしょう?本当は弱い腹筋を可動域を狭めて隠すためです。
シットアップベンチシットアップは何回できますか?毎回背中をつけてリラックスさせて、上げる時は地面と垂直以上までとなったら、この質問への答えは変わるでしょう。
荷重下でのストレッチは筋肥大を促します。そのため、しっかり最大限まで腹筋を伸ばして、最大限収縮する方法が筋肥大のためには一番良いです。
化学的ストレスを用いたテクニック
腹筋には2種類の化学的ストレステクニックが効果的です。(もちろん他にも効果的なものはありますが、ここではこの2つだけ解説します。)
ドロップセット
ドロップセットはマシーンでやるのがベストです。20RMで開始してテクニックが崩れる前、限界の若干手前まで追い込みましょう。
それを終えたら5kg程重量を落として、呼吸を少し整えたらもう1回やります。
これを4〜8回行うドロップセットは必ず成果が出るでしょう。
スーパーセット
スーパーセットは、難易度の高い腹筋種目と簡単な腹筋種目を組み合わせるのがベストです。アイソメトリック種目でも問題ありません。
例えば、ドラゴンフラッグの直後にV字クランチを行います。他にはリーチングシットアップの後にプランク(体幹)もありです。
シットアップが終わった後すぐ、プランクを開始しましょう。一気に代謝物質に襲われるでしょう。
ピリオダイゼーション
他の部位と同様に、最初のメゾサイクルは中重量の中レップで行うべきです。
その次のメゾサイクルでも似たような設定で、レップ数や種目を少し変更してもいいかもしれません。
もしくは、1RMの60%程の軽量で高レップで高ボリューム、化学的ストレスを狙ったブロックにもできます。
そのメゾサイクルの後は、3〜4週間程度の短いメゾサイクルで、1RMの70〜85%程の筋力狙いの低ボリューム期間を設けるべきです。
低ボリュームを入れることで、筋肉の感受性をリセットして今後さらに筋肥大しやすくなります。
この期間が終わったら最初のメゾサイクルに戻って繰り返しましょう。
腹筋は超高重量では鍛えない方がいいので、筋力ブロックの間でも8レップ(たまに6レップまで落としてもいいです)を行ってよく、10レップ以上は避けましょう。
腹筋トレーニングの参考メニュー
週に3回、5週間分の参考例です。ポンドからキロに直す際に一部調整しています。
1日目
マシーンクランチ:3セット 10レップ 45kg
2日目
マシーンクランチ:4セット 15レップ 37.5kg
3日目
ハンギングニーレイズ:合計30レップ
1日目
マシーンクランチ:4セット 10レップ 50kg
2日目
マシーンクランチ:5セット 15レップ 42.5kg
3日目
ハンギングニーレイズ:合計35レップ
1日目
マシーンクランチ:5セット 10レップ 55kg
2日目
マシーンクランチ:6セット 15レップ 47.5kg
3日目
ハンギングニーレイズ:合計40レップ
1日目
マシーンクランチ:6セット 10レップ 60kg
2日目
マシーンクランチ:7セット 15レップ 52.5kg
3日目
ハンギングニーレイズ:合計45レップ
1日目
マシーンクランチ:2セット 5レップ 45kg
2日目
マシーンクランチ:2セット 8レップ 37.5kg
3日目
ハンギングニーレイズ:合計15レップ
特記
腰の怪我など問題を抱えている場合は、腹筋トレーニング(特に高重量)は気をつけるべきです。
違和感なく行える種目を選び、ボリュームも強度も徐々に挙げていきましょう。
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