デッドリフトの重量が停滞して悩んでいる、腰への負担が大きくてこれ以上はデッドリフトできない、という方々。そろそろ補助種目を真剣に考えなければいけないタイミングかもしれません。
本記事では、デッドリフトの重量を伸ばすため、筋肥大をさらに促進するための補助種目を紹介します!
万人向け補助種目
デッドリフトの重量をあげるためには、フォームや筋力向上だけでなく、筋肉量を増やすことが重要です。
ナロー・ワイドスタンスどちらも共通して、上背部や下肢の筋群を大きくするための種目は必ず取り入れるべきだと言えます。
ちなみにデッドリフトそのものは、背中の筋肥大には効率的ではないです。床引きデッドリフトは背中の筋肥大種目ではない理由に説明をまとめています。
懸垂
懸垂は、デッドリフトに欠かせない広背筋・僧帽筋・大円筋などを鍛えることができる重要な種目です。
目的は、前述の通り筋肥大ですので、最大ROM(Range Of Motion:挙上距離)を意識しましょう。加重しすぎて数センチしか動かない状態は避けたいです。
3セット・10レップ前後を1週間に2回程行ってみてください。
懸垂のやり方は以下の動画をチェック
ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウも、懸垂同様に、上背部の広背筋・僧帽筋・大円筋や、体勢を維持するために脊柱起立筋を鍛えることができます。
ベントオーバーロウは、特にチーティングをしないように注意してください。目的は重量を扱うことではなく、狙った筋肉に刺激を与えることです。
重くしすぎて反動を使ってしまう場合、半分デッドリフトをやっているようなもので、効果も半減してしまいます。
上背部だけであげられる重量で、3セット・10レップ程を懸垂と同じく1週間に2回行っていきましょう。
ベントオーバーロウのやり方は以下の動画をチェック
ポーズデッドリフト
最も重量を伸ばしていく中で取り入れて欲しいのが、ポーズデッドリフトです。
ポーズデッドリフトはその名の通り、通常のデッドリフトの途中でポーズ(止め)をいれます。止める場所は、床からあげて数センチ〜膝までと、その人の弱点に合わせて調整します。
床からあげるのが重い、もしくは背中だけで引いてしまう方は、床から数センチでポーズすることをオススメします。
そうすることで、脚で耐える癖が着くとともに、徐々に脚(主にハムストリング)の筋力が伸びてきます。
反対に、床からは軽いけど最後の方で挙げきれない方には、膝下でのポーズをオススメします。
膝まで来たらしっかり身体を固めて(腹圧を意識して)、1〜2秒止めた後に一気に引き切りましょう。
ポーズデッドリフトでは、上記のように弱い部分を強化しながら、さらに体幹を強めることができます。そのため、デッドリフトの基礎が強化されていくのです。
デッドリフトを週2回やっている人は、片方をポーズデッドリフトに、週1回の人はデッドリフトの後に2〜3セット・5レップ前後で行っていきましょう。
ポーズデッドリフト解説記事
ポーズデッドリフトのやり方は以下の動画をチェック
ナロースタンス向け補助種目
続いて、ナロースタンス(コンベンショナル)でデッドリフトする方向けの補助種目の紹介です。
ナロースタンスでは、背中で引けてしまう分、脚を鍛えきれていない可能性があります。そのため、脚を鍛えたり、距離を長くしたりする補助種目が有効になっていきます。
デフィシットデッドリフト
デフィシット(Deficit)とは、不足という意味で、デフィシットデッドリフトは、床引きよりもさらに下から引くデッドリフトになります。
スタート地点を低くすることで、必然的に大腿四頭筋で押して持ち上げなければいけなくなります。結果的に、脚の強化に繋がるのです。特に床から挙げるのが苦手な方には効果的です。
目的は背中ではなくて脚の強化のため、背中だけで挙げることがないように注意しましょう。
やり方は、20kgプレートなどの上に立ち、普段通りデッドリフトをするだけです。最初は感覚を掴むために、1RMの60%くらいからスタートすることをオススメします。
デフィシットデッドリフトのやり方は以下の動画をチェック
ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトは、ハムストリングと臀部をストレッチさせる種目です。
上までバーを持ち上げた後に、ゆっくりと脚の裏側を伸ばしながら下ろしていきます。コツは、膝を曲げすぎないことです。軽い重量でもかなり効くので、腰の負担も少なくなります。
また、身体が硬くてデッドリフトの体勢が取れない人にもオススメです。デッドリフトと同じ動きをしながらストレッチをできるので、実践的に身体を動作に慣れさせることができます。
※デッドリフトでハムストリングに効かせる・上手く利用するコツは、デッドリフトでハムストリングに効かない原因 | フォームと柔軟性と動作慣れが全てですにまとめています。
こちらもデフィシットと同じように、デッドリフト1RMの60%を目処に初めてみましょう。
ルーマニアンデッドリフトのやり方は以下の動画をチェック
ワイドスタンスデッドリフト
脚を強化するには、実はワイドスタンス(スモウ)デッドリフトもオススメです。
ワイドスタンスでは、大腿四頭筋や内転筋の働きが強くなります。
脚で耐える力がついてくるため、今まで背中だけで挙げていた人には特に効果的です。
また、ナロースタンスよりも背中を真っ直ぐにしやすいため、身体が硬くてどうしても腰が丸まってしまう人にもオススメです。ワイドで慣れて、徐々にナロースタンスに移行してもいいでしょう。
ワイドスタンスデッドリフトのやり方は以下の動画をチェック
ワイドスタンス向け補助種目
最後に、ワイドスタンスでデッドリフトを行う方向けへのオススメ補助種目です。
ナロースタンスとは反対に、背中への刺激が足りていなかったり、テクニックが難しかったりするので、そこを補強していくことが鍵となります。
スクワット
はい、デッドリフトの補助種目ですが、スクワットです笑
ワイドスタンスでは、脚で押す割合が高まります。そのため、大腿四頭筋や大臀筋が強くなると、自然と強くなります。
これらの筋群を一番効率よく強化できるのはスクワットなので、ワイドスタンスとスクワットの相性は抜群です。スクワットをやっていない方は、必ずトレーニングに取り込むようにしましょう。
しかし、使用する筋群が似ているので、オーバーワークには注意してください。特に、股関節に負荷がかかって痛みが出てしまう方もいます。スクワットとデッドリフトのトータルボリュームが高くなりすぎないように管理する必要があります。
テンポデッドリフト
テンポ(Tempo)デッドリフトは、その名の通り、テンポに合わせてデッドリフトを行います。一般的には、降ろす時間を長いテンポにすることが多いです。
例えば、降ろす時は3秒かけて降ろし、挙げる時はいつも通り最速で挙げるという感じです。
ワイドスタンスでは、ナロースタンスよりもバーベルのコントロールが難しいため、バーを素早く落としてしまいがちです。この種目により、エキセントリックの刺激も入れることができるため、筋肥大を促進できます。
それだけでなく、コントロールが上手くなるのでフォームが洗練されて、効率よく挙上できるようにもなります。
ナロースタンスデッドリフト
ナロースタンスの方にワイドをオススメするように、ワイドスタンスの方にはナローを補助種目としてオススメします。
その理由は簡単で、背中とハムストリングに強い刺激を与えることができるからです。ワイドスタンスではこれらの部位に対する刺激が弱まってしまうため、ナローで補完することが重要です。
ハムストリングに重点を置きたい方は、ルーマニアンデッドリフトを行ってもいいでしょう。
デッドリフトを週2回行っている場合は片方をナローにしたり、週1の場合はワイドの後に行ってみてください。また、ブロックを分けて、ナローの月、ワイドの月などにしても効果的です。
ナロースタンスデッドリフトのやり方は以下の動画をチェック
筆者に効果的だった種目
自分がやって効果のあった種目を紹介します。参考までに、私はワイドスタンスデッドリフトを主にやっていてマックスが250kg、ナローだとおそらく220〜230kgあたりではないかと思います。
あくまで、自分に効果があった種目ですので、皆さんも色々試しながら自分に合う種目を見つけていきましょう。
①ポーズデッドリフト
ポーズはフォーム習得のためにも、体幹強化のためにもかなり役立ちました。ポーズを入れる前は220kgで3レップが最大でしたが、それが1ヶ月ポーズをやっただけで6レップまで伸びました。
おそらくワイドスタンスのテクニックがかなりひどかった...のが理由ではないかと思います。ポーズはバーベルを身体に常につけておく一番綺麗な挙げ方でないと、上手くできません。確実にポーズデッドリフトのおかげでバーの軌道やバランスが良くなったと感じています。
追記:ポーズデッドリフトで235kg→255kgに伸びました
上記の流れでポーズデッドリフトに真剣に取り組んだ結果、半年ちょっとでデッドリフト のマックスを20kg更新できました。
ポーズデッドリフトで20kgマックスを伸ばした話にてメニューややり方をまとめていますので、ぜひ読んでみてください。
②懸垂
もはや懸垂は一般的な種目すぎて、これをやったから伸びたかと言われれば微妙かもしれません。しかし、懸垂によって上背部を鍛えることで、体幹の安定感が増すと個人的には思います。
上背部の強化だけではなく、グリップの強化にも繋がっていると感じます。私は通っているジムのバーがツルツルで普段からストラップを利用しており、デッドリフトではグリップを鍛えられていません。
懸垂だけではありませんが、背中の補助種目を素手で行うことで、前腕を鍛えることができ、それがデッドリフトのグリップ力にも好影響を与える、と信じています笑
③ベルトレスデッドリフト
紹介はしていなかったのですが、その名の通り、ベルト無しで行う補助種目です。
軽いデッドリフトの日に取り入れたのですが、体幹の強化・フォームの改善に貢献してくれました。
また、それまではベルトをしないと恐怖感があったのですが(以前スクワットで腰をやっています)、ベルトレスでしばらく行うことで恐怖感も消えました。結果的にベルトをつけた時にさらに出力が上がったと感じています。
まとめ
以上が、デッドリフトにオススメの補助種目になります。
ぜひ停滞した時や違う種目にチャレンジしたい時、筋肥大重視にしたい時などに新しい種目にチャレンジしてみてください。
また、補助種目の取り入れ方は、トレーニングの組み方の基礎であるボリュームやサイクルなどを考慮する必要があるので、くれぐれも気をつけましょう。
また、デッドリフト200kgまでの道のり | 期間・内容は?に筆者がデッドリフト200kgを達成するまでの遷移をまとめているので、参考にしてみてください。
最終的には、その時の自分にあった種目を選択する必要があります。しっかりと感触や身体の反応を確認しながら、上手く取捨選択していきましょう。